人生の価値と私的感覚
マインドフルネスを取り入れた心理療法にACT (アクセプタンス・コミットメント・セラピー)というものがある。
実はACTはもともとマインドフルネスから出来たものではなくて、構成しているうちに、
「これってマインドフルネスと一緒だよね」
となったらしい。
それはともかくACTの中には〝人生の価値〝を見つけてもらうという過程がある。
人生の価値とはその人が大切に思っていることで、ワークでは
「〇〇才の誕生会で大切な人に言って欲しい事、もしくは一番言って欲しくない事」
「自分の葬式の弔辞で言って欲しいこと、もしくは一番言って欲しくないこと」
というものをやってもらう。
これは非常にいい方法だと思っている。
〜さんはどんな人でしたと人生最後の時に言って欲しいことはその人のありたい姿だ。
一方アドラー心理学では私的感覚というものがあって、
「およそ人は〜であるべきだ」
というものを見つける。
それがその人が大事にしているもので、エピソード分析という手法を用いて導き出す。
人生の価値よりかなり難しい方法だ。
ただし、人生の価値と私的感覚は同じではない。
同じ内容もあるだろうが、私的感覚の方はエピソードから導かれるもので、対人関係に直結する。
言い換えれば、すぐに対人関係に役立つ、やると決めさえすれば。
人生の価値はどんなエピソードで使えるかは分からないし、抽象的なものもある。
ACTの全過程の中だから生きてくるものであって、単独では効果は薄いと思う。