伝える側の覚悟

 

マインドフルネスでも、アドラー心理学でも(多分他の分野でも)そうだが、

サプライヤー(供給者)になるというのには覚悟がいる。

人に物事を(出来る限り)正しく伝えるには知識ももちろんだが、自分が伝えられるだけの経験をしていて、現在も続けているという前提が必要だと思う。

例えば、瞑想をちゃんとした指導者のもとで講習も受けていない、本を読んだだけの人、あるいは以前はやっていたが、現在は全く瞑想をしていない人がマインドフルネスのセミナーを開催しても伝えられるとは思わないし、習いたいとも思わないし、効果も出るとは思えない。

私はもちろん正式なMBSRのプログラムを受けて、実際その指導のもと毎日瞑想をしていたし、その後1年以上は瞑想を続けてから、プロ用のMB-EATの講習(大体どのマインドフルネスでも、次の段階に進む時、半年以上の瞑想経験があると言うのが前提)を受けてきた。

もちろん瞑想は現在も毎日している。

人に伝える立場でなければ、別に自由だが、伝える側にいくということは責任があると思っている。

例えば、禁煙の指導をしている人が、指導室でタバコを吸いながら、相談者に禁煙指導していたとしたらどうだろうか?

「自分は禁煙してないけどあなたは禁煙しなさいよ、こうすれば禁煙できるよ」と言われたらどうですか?

「私は瞑想(今は)してないけど、あなたは毎日しなさいよ、こうすればいいですよ(自分はちゃんと習ったことがないけど)」と言われたらどうだろうか?

そんな人に習いたいと思いますか?

そう思うと、ユーザーでいる方がはるかに気楽だ。

「いやー最近忙しくて出来ていないんですよ〜」という言い訳が出来るし、しても誰も困らない。

まあ、マインドフルネスでもアドラー心理学でも実際に少し話せば日々実践している人かそうでないかはすぐ分かるが。