実践! マインドフルネス―今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン

この本は日本でのマインドフルネスの第一人者と言っていい、早稲田大学の熊野先生が書かれた本だ。

熊野先生は初期認知行動療法から第三世代の認知行動療法を専門にされており、その中でもマインドフルネスをベースにした治療法、特にACT(Acceptance and commitment therapy)を推奨されている。

目次を下に挙げておく。これはamazonnでも公開しているので問題ない。

第1章ではマインドフルネスとはの説明、何度も聞いているが熊野先生の表現はわかりやすい。 第2章では基本のマインドフルネスの実践方法が載っている。

サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の違いがわかりやすく書かれている。

今世間で誤解されがちなのが、マインドフルネス=呼吸瞑想と思われているということ。

しかも呼吸に集中し、雑念がなくなることがマインドフルネスだと思われがちである。

それは違って、呼吸瞑想はサマタ瞑想であって、真のマインドフルネスはヴィパッサナー瞑想をベースにしているということだ。

つまり、自分に起こっていることを観察する自己を養うということなのだ。

では何故、呼吸瞑想をするのかというと、いきなり意識を全範囲に広げるのは大変難しく、仏教でヴィパッサナー瞑想をやる人でも最初は導入として呼吸瞑想を行う。

詳細は本を読んでみてください。

第3章でACTの理論、第4章でさらに進んだ実践ワーク。

第5章でマインドフルネスのルーツが書かれている。

一般向けなので、非常にわかりやすく書かれている。

【目次】 ◆第1章 マインドフルネスを正しく理解する ・マインドフルネスとは ・目覚めの状態 ・「心ここにあらず」は考えることから ・言葉を理解する動物たち ・「心ここにあらず」の状態から、ハッと我(われ)にかえる ・マインドフルネス特性を高める

◆第2章 マインドフルネスを実践する ・マインドフルネス瞑想 ・レクチャー ◎座り方 ◎呼吸 ◎ラベリング ◎一点集中のサマタ瞑想 ◎注意のフォーカスを広げるヴィパッサナー瞑想 ・マインドフルネス瞑想の実践――サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想 ◎サマタ瞑想の実践 ◎ヴィパッサナー瞑想の実践 ・参加者との質疑応答 その1

◆第3章 マインドフルネスの臨床研究 ・マインドフルネスとACT ・ACTモデルで見るマインドレスネスな状態 ・臨床から定義するマインドレスな状態 ◎体験の回避 ◎認知的フュージョン ・反すうと心配 ・アクセプタンスと脱フュージョン ・心を閉じない、飲み込まれない ・アクセプタンス 心の扉を開く ・心を開く ・自動的な行動にマインドフルネスで対処する

◆第4章 マインドフルネス・ワーク ・マインドフルネス・ワーク ・バーチャルな風船から抜け出す ・ハッと気がつく ・「流れに漂う葉っぱ」のエクササイズ ◎実践 ・青空から見る ◎どこから見ているのか? ◎目の位置を高くする ◎自分を小さく、小さくしていく ◎四無量心――慈悲喜捨の心 ・「足を意識して、文章を読む」エクササイズ ・マインドフルネス瞑想の目指すもの ・マインドフルネス瞑想の構成要素 ・手動瞑想 ・音を使った注意訓練 ◎音を使った注意訓練の実践 ・参加者との質疑応答 その2 ◎瞑想中の雑念について ◎マインドフルネスは、仕事やストレス軽減に役立つのか? ◎音楽を聴くのは回避か? ◎「ここ」とはどこか? ◎どのヴィパッサナー瞑想が、より効果が出るか? ◎瞑想中の不安感について

◆第5章 マインドフルネスのルーツを知る ・マインドフルネスのルーツ ・アーナーパーナサティ・スッタ(呼吸による気づきの教え) ・呼吸を四つの領域から、十六の視点で見つめるトレーニングシステム ・気づきの対象になる四つの領域とは ◎身体、感受、心、法則性 ・気づきの三つの前線による、本丸の守り ・デフォルトモードネットワークを鎮める ・マインドフルネスの戦略

◆第6章 まとめ ・生き方を切り替えていく