社会統合論(対人関係論)

アドラー心理学には社会統合論(対人関係論)というものがある。

簡単にいうと、人は社会に統合されたピース、歯車のようなものであり、自分の動きが関係しているピース、歯車の動きに影響を与えるというものだ。

つまり、自分の行動で相手の行動が決まるということ。

よく「自分が変わっても、相手が変わらない」とか「相手が変わらないなら、自分は変わらない」

とか言うことを聞くが、これは全く見当はずれな言い分だ。

自分が変わらないから、相手も変わらない。

自分の対応が競合的だから、相手の反応も競合的になるのだ。

協力的な対応をすれば、協力的な反応が返ってくる。

例えば子供が皿洗いをしてくれたとしよう。

A

子供「ねえ、みてみて、今日はこんなにお皿洗えたよ!」

母「あら、そう。なあに、まだ全然汚れが落ちていないじゃない。まだまだね、これならお母さんがやったほうがよかったわ」

B

子供「ねえ、みてみて、今日はこんなにお皿洗えたよ!」

母「あら、ありがとう、助かったわ〜、一生懸命やってくれたんだね!お母さん嬉しいわ。今度お母さんと一緒にお皿洗いしてくれる」

さあ、AとBとの母の対応では子供の反応はどうなると思いますか?

自分が子供の立場で味わってください。

これでお分かりだと思うが、相手の反応は常に自分の前に対応が関係している。

競合的な反応が返ってきたら、自分のその前の対応が競合的であったと言うことだ。

逆に競合的な対応は自分の協力的な反応で止められる、ピンポンゲームから降りるということだ。

なんで、そんなに自分が我慢して相手の機嫌を取らなきゃいけないんだと思う方、

または、ああ、こうすれば相手は機嫌よく動いてくれるんだ、と思った方

両方競合的です。

えっ、後者はいいじゃないか!と思われがちだが、

機嫌をとると言う考え方自体が相手を操作しようとしているからです。

相手が勇気付けられる事を願うことがアドラー心理学的なのだ。