第5回日本アドラー心理学会 九州・沖縄地方会に参加してきた

北九州で行われた、5日本アドラー心理学会 九州・沖縄地方会に参加してきた。

最近は殆ど休日も当直か外勤であったため、アドラーの会に参加できたのは本当に久しぶりであった。

電車で会場に行ったのだが、事故があったらしく、30分以上遅れ、残念ながら最初の講演には少し遅れた。

最初の講演はYさんの「保育とアドラー心理学自閉症と診断された S 君を受け入れて~」という題名で、S君がアドラー心理学的な援助を受けて勇気付けられる姿、また、同じクラスの子どもたちの協力的な姿勢が育っていく様子が、ありありと伝わってきた。ひとつひとつの対応を切り取ってみたら、ああ、ここはアドラー的な対応とは違うなと感じたりしたが、全体を通して見ると、結果的に教師(保育士?)やクラス全体みんなが協力的な構えになっていくのが分かった。現場にいると本当にアドラー心理学を実践するのは難しい。

私も後で自分の対応が非アドラーであったなと思うことは日常茶飯事だ。

それでも、アドラー心理学信じて前に進み、粘り強く対応され、最後には、「みんな」が協力的になっていったのには感動した!

そしてこういう保育園で育った子どもたちの将来が楽しみだと思う。

次はN先生の講義アドラー心理学と勇気づけ」であった。

5つの基本前提(個人の主体性、目的論、全体論、仮想論、社会統合論)を丁寧に例を出しながら一つづつ説明してくださった。

今まで何回もアドラー心理学の講義を聞いて来て、これほど分かりやすい講義はなかったなと思った。

「分かりやすい」=「良い」とは限らないが、会場の方全てにアドラー心理学を理解してもらいたいというN先生の共同体感覚がにじみ出ていたと思う。

N先生レベルになると自分の私的感覚、ライフスタイルに共同体感覚が組み込まれている感じがする。

午後の部では実践報告&グループワークが行われた。

教育現場家庭医療現場におけるアドラー心理学の実践報告が各1例づつされて、それを題材としてグループワークを行った。各グループ6名で5グループで行った。

私のグループはKさんの家庭の題材でそのエピソードに対して、どの部分がアドラー心理学の理論、思想、技法を使っているのかみんなで話し合った。

そうすると、一つの部分に思想、理論、技法すべてが適応でき、しかもそれは全部がつながっている。アドラー心理学は線や点ではなく、三次元の立体物で複雑に関係しあって作られているのだなーと再発見できた。

例えばAさんの家では健康にいいと言われるBという行為をAさんが毎朝している。Aさんの夫、子供はその影響を受けるとしよう。それでも何も言わないのは家族会議をしてそう決まったのか、もともと目標の一致が出来ていたのか分からないが、家族の共通の目標となっているため誰も異議を唱えないのだろう。ここでは、課題の分離目標の一致共同の課題という技法があって、協力という思想がある。健康を良く(ほんとうに良くなるかは仮想)しようという目的個人の主体性を発揮して、Bをしようと決めたのだ。そして夫と子供は個人の主体性で、その目的に賛成し、協力しようと決めた。Aさんが一人で勝手にやっているのではなく、夫と子供との間の対人関係が良いので快く出来るのだ(社会統合論)二人から猛反対を食らったら、同じ行為を続けられるであろうか?例えすると決めても陰性感情は発生する。

そしていつも言っているがグループ力のすごさを実感した。一人より二人、二人より三人、三人より〜〜、たくさんの人の意見を聞くことで、自分では思いも寄らなかった事に気付かされる。価値相対論の練習だ。

アドラー心理学会では山のようにアドラー語が出てくる。

今回載せたのも極一部に過ぎない。