パセージ第3章 4

4 子供の課題に口を出す弊害

4-1 自信を失う 4-2 依存的になる 4-3 反抗的になる 4-4 失敗を人のせいにするようになる 4-5 親が忙しくなる

前回課題を分離したが、子供の課題に口を出す弊害として上記が挙げられる。 まさに今の親たちがはまってしまっていることではないだろうか。 これだけでも課題の分離をする利点があることは明らかであろう。 今回は自己欺瞞について述べたいと思う。 自己欺瞞というのは自分を騙すということだ。つまり言い訳だ。 子育てでは「子供のため」がつけばほぼこれに当たると思う。 なんでこれが言い訳なんだ?と思われる方がおられるだろうか? そういう方は本気で子供のためを思って言っているのだ!親の愛情だ!というかも知れない。 確かに愛情があるのは否定しない。 だが子供を愛しているのと、子供のためになるというのは全くの別の事なのだ。 親は子供にこうなって欲しいという希望を子供に押し付ける。 押し付けるという言葉が気に入らなければ、親の課題(希望)を子供に肩代わりさせているのだ。 そうすれば、親は安心だろうし、多分ほとんど失敗しないで平々凡凡な人生が送れるだろう。 例えば、勉強して、いい大学に行って、いい会社(何がいいというのかは定かではないが)に就職して、仕事も熱心にして出世して、結婚は30ぐらいに、子供は2人ぐらい・・・などなど。中には自分の仕事をして欲しいとか家をついで欲しいとか思う親もいるかも知れない。 しかし、それで子供は本当に幸せですか? また、子供が自分で歩んだ人生と言えるでしょうか? でも親は安心だ。つまり、親は自分が安心するために子供の自由を奪ってコントロールしているわけだ。 実は「子供のため」ではなく「自分の安心のため」なのだ。課題の分離が分かっておられる方はこのことは理解していただけるだろう。 親の言いなりになって成功するより、子供が自分で考えて行動して失敗する方が良いではありませんか?(といってもほとんど重大な失敗はしない。) もちろん課題を分離しない方がいい時もある。それは第6章で出てくるが、とりあえずここでは子供の生命に関わる場合は介入しても良いと覚えておいてください(ただし陰性感情を使わずに)。