パセージ第1章

今回からアドラー心理学に基づく育児法パセージについて紹介する。子育てのプログラムだが、アドラー心理学の基本中の基本であり核の部分(と思っている)である。態度(共同体感覚の一部、横の関係)を身につけるには最適なプログラムなのだ。もちろん親子関係だけでなく対人関係一般にも役立つ。しかし、子育ての事例で学ぶ方が易しいのだ、その他の対人関係に使うのは応用編だ。 さて、パセージ(Passage)とは Parent Study System on Adlerian Group Experienceの略で、 全8章、1章2時間30分、全20時間のコースである。〝パセージとは〝とググってもらえればどこにでも載っている。 今回から私の復習も兼ねて1章づつ紹介したいと思う。 さて、第1章は子育ての目標、ここには全章に渡るキーワード 「私は能力がある」「人々は仲間だ」 が出てくる。これが子育ての心理面の目標。つまり、子供がこう感じて行動できるように援助するということだ。パセージはこの目標を達成するための技術を身につけるコースなのだ。技術といっても相当な覚悟が必要だ、何故なら今までの子育て方法、つまり自分が常識と思っていた方法を捨てねばならない、むしろ非常識と思っていることを実行しなければならない。アドラーの常識は世間の非常識、世間の常識はアドラーの非常識なのだ。そう、勇気が必要なのだ。 さて、そういう覚悟をして、本題に入ろう。まず、 子供はどんな時に不適切な行動をするか? であるがパセージでは4つに分類されている(パセージ2-L参照)。 1,2は適切な行動を教えてあげればやめるので問題はない。問題は3,4だこれは勇気をくじかれている場合だ。 正の注目負の注目(3—L) 不適切な行動にどう対処するか(4—L) 勇気づけを始めよう(5—L) で対処法を学ぶ。詳しく中身を紹介すると著作者や受講者から苦情がくるかもしれないので、お知りになりたい方はパセージテキストを購入してください。 毎回私がテーマを決めてそれについて述べる。 今回は勇気について述べたい。 これは思いつきなので、パセージのテーマには必ずしも合致しないかもしれません、悪しからず。 アドラー心理学での勇気とは「したくなくてもすべきことはする、したくてもすべきでないことはしない」ことを言う。逆にこれができない人を臆病という。すなわち勇気づけとは勇気ある行動を取れるように援助することだ。そこで難しいのは何がすべきことで、何がすべきでないことか?だ。ここをはっきりさせないと勇気ある行動が取れない。これは共同体感覚に基づいている。「これはみんなにとってどういうことだろう?みんなが幸せになるために私は何ができるだろう?」と考えて行動することだ。それで自ずとすべきことが見えてくる。反対は「これは私にとってどういうことだろう、私が幸せになるために私は何ができるだろう?」と自分の幸せのために行動することは自己執着という。常に自己執着に落ちいっていないかを点検する必要がある。 共同体感覚という言葉を使ったが、これはアドラー心理学のもっとも深いところであり、一言で述べることは出来ないし、私も完全に理解しているわけではない。さしあたって「これはみんなにとってどういうことだろう?みんなが幸せになるために私は何ができるだろう?」と考えて行動することとしている。次に出るときは違う表現になっているかも知れない。 パセージテキスト日本アドラー心理学会に申し込めば購入できる。しかし、テキストを読んだところで理解できないし、もちろん実践することは出来ない。パセージを受けてグループで体験することで実践できるようになるのだ。私もあらかじめ買って10回は読んで分かった気でいたが、パセージを受講して全く分かっていないことが分かった。受講希望の方は http://adler.cside.com/ に日本各地のパセージの予定が載っている。 * 私は日本アドラー心理学会の資格は持っておりませんので、話はご参考までに。